レンタカーの法定点検はどの別表か
レンタカーの定期点検は、自家用乗用車と同じではありません。24か月ごとの点検は存在せず、3か月ごとか6か月ごとのどちらかになります。どちらになるかは車種で決まります。
先に一覧
| レンタカーの車種 | 周期 | 別表 | 項目数 |
|---|---|---|---|
| バス(乗車定員11人以上) | 3か月 | 別表第三 | 3か月51項目/12か月101項目 |
| 車両総重量8トン以上の自動車 | 3か月 | 別表第三 | 3か月51項目/12か月101項目 |
| 貨物用の普通・小型トラック | 3か月 | 別表第三 | 3か月51項目/12か月101項目 |
| 幼児専用車、人の運送用の三輪自動車、特種用途の普通・小型自動車、大型特殊自動車、検査対象外軽自動車 | 3か月 | 別表第三 | 3か月51項目/12か月101項目 |
| 被牽引自動車 | 3か月 | 別表第四 | 3か月23項目/12か月36項目 |
| 乗用車(普通・小型乗用) | 6か月 | 別表第五 | 6か月24項目/12か月86項目 |
| 軽自動車(軽乗用・軽トラックなど検査対象軽自動車) | 6か月 | 別表第五 | 6か月24項目/12か月86項目 |
| 二輪自動車・側車付二輪自動車 | 6か月 | 別表第五の二 | 項目数は確認できていません |
別表第五(6か月ごと)に当たる場合は、別表第五の点検整備記録簿 作成ツールで記録簿を作成・印刷できます(6月ごと24項目/12月ごと86項目)。
なぜこう分かれるのか
道路運送車両法第48条第1項は、定期点検の対象を3つに分けています。
- 第1号(3か月ごと)— 事業用自動車、車両総重量8トン以上の自家用自動車、その他省令で定める自家用自動車
- 第2号(6か月ごと)— 自家用有償旅客運送用の自動車、道路運送法第80条第1項の許可を受けて業として有償で貸し渡す自家用自動車、その他省令で定めるもの(前号に掲げるものを除く)
- 第3号(1年ごと)— 前二号以外
レンタカーは、第2号に条文上はっきり書かれています。ここが出発点です。
ただし第2号には「前号に掲げるものを除く」という括弧書きがあります。第1号に取り込まれた車種は、そちらが優先して3か月ごとになります。
その取り込みを定めているのが自動車点検基準第3条です。同条第1項第3号が、レンタカーのうち次のものを第1号側に上げています。
- 貨物の運送の用に供する普通自動車及び小型自動車
- 専ら幼児の運送を目的とする普通自動車及び小型自動車
- 人の運送の用に供する三輪自動車
- 散水自動車、広告宣伝用自動車、霊きゅう自動車その他特種の用途に供する普通自動車及び小型自動車
- 大型特殊自動車
- 検査対象外軽自動車
なお、この第3号からは二輪自動車(側車付二輪自動車を含む)が除かれています。
軽トラックは6か月です
ここが一番注意が必要なところです。
上の列挙をもう一度見てください。貨物の運送に使うものとして挙げられているのは「普通自動車及び小型自動車」です。検査対象軽自動車は入っていません。最後の項目も「検査対象外軽自動車」であって、検査対象の軽自動車ではありません。
つまり軽トラックのレンタカーは第1号に上がらず、第2号に残ります。6か月ごとです。
国土交通省の「点検整備の種類」のページでは、3か月ごとの対象が「レンタカー(乗用車以外)」と表記されています。この書き方だと軽トラックも3か月に読めてしまいますが、条文に沿えば軽トラックは6か月です。
中部運輸局愛知運輸支局がレンタカー事業者向けに配布している資料(令和8年2月18日)は、「バス・トラック(軽トラックを除く)は3か月に1回、乗用車・軽トラックは6か月に1回」としており、条文の読みと一致しています。
判断に迷う場合は、管轄の運輸支局に確認してください。
日常点検も自家用乗用車とは違います
定期点検だけでなく、日常点検の基準も違います。
自動車点検基準第1条により、法第48条第1項第1号・第2号の自動車は別表第一が適用されます。そして法第47条の2第2項により、これらの自動車は1日1回、運行の開始前に点検することとされています。
自家用乗用車に適用される別表第二のほうは、法第47条の2第1項の「適切な時期に」で足りますが、レンタカーは乗用車であっても別表第一側です。運行前点検が必要になります。
点検整備記録簿の保存期間は1年です
レンタカーは自動車点検基準第2条第1号から第4号までのいずれかに該当するため、点検整備記録簿の保存期間は全車1年間です(同基準第4条第2項)。
自家用乗用車の2年とは違うので、ここも注意が必要です。詳しくは点検整備記録簿の保存期間で説明しています。
整備管理者はレンタカーだけ基準が厳しくなります
道路運送車両法第50条と施行規則第31条の3により、一定の台数以上を使用する場合は整備管理者を選任する必要があります。レンタカーには専用の台数基準が組まれています。
| 対象 | 台数 |
|---|---|
| 乗車定員11人以上の自動車 | 1両 |
| 乗車定員11人以上29人以下の自家用自動車(レンタカーを除く) | 2両 |
| 乗車定員10人以下で車両総重量8トン以上の自家用自動車 など | 5両 |
| 乗車定員10人以下で車両総重量8トン未満のレンタカー など | 10両 |
2段目がレンタカーを明示的に除いているため、レンタカーのマイクロバス(乗車定員11人以上)は1両で選任が必要になります。自家用の同じ車なら2両からなので、レンタカーのほうが厳しい扱いです。
なお整備管理者の権限には、点検整備記録簿その他の点検及び整備に関する記録簿を管理することが含まれています(施行規則第32条第1項第7号)。
まとめ
- レンタカーに24か月ごとの点検はない。3か月ごとか6か月ごとのどちらか
- 乗用車と軽自動車(軽トラックを含む)は6か月ごと、別表第五
- バス、8トン以上、貨物用の普通・小型トラックなどは3か月ごと、別表第三
- 「乗用車以外はすべて3か月」ではない。軽トラックは条文上6か月
- 日常点検は別表第一(1日1回、運行の開始前)。自家用乗用車の別表第二ではない
- 点検整備記録簿の保存期間は1年
- マイクロバスは1両で整備管理者の選任が必要
関連する解説
根拠
- 道路運送車両法(昭和26年法律第185号)第47条の2・第48条・第49条・第50条
- 自動車点検基準(昭和26年運輸省令第70号)第1条・第2条・第3条・第4条
- 道路運送車両法施行規則(昭和26年運輸省令第74号)第31条の3・第32条