点検整備記録簿の書き方
点検整備記録簿に書かなければならないことは、道路運送車両法第49条第1項と自動車点検基準第4条第1項に定められています。条文は以下のとおりです。
道路運送車両法 第49条第1項
自動車の使用者は、点検整備記録簿を当該自動車に備え置き、当該自動車について前条の規定により点検又は整備をしたときは、遅滞なく、次に掲げる事項を記載しなければならない。
一 点検の年月日
二 点検の結果
三 整備の概要
四 整備を完了した年月日
五 その他国土交通省令で定める事項
自動車点検基準 第4条第1項
法第四十九条第一項第五号の国土交通省令で定める事項は、次のとおりとする。
一 登録自動車にあつては自動車登録番号、法第六十条第一項後段の車両番号の指定を受けた自動車にあつては車両番号、その他の自動車にあつては車台番号
二 点検又は特定整備時の総走行距離
三 点検又は整備を実施した者の氏名又は名称及び住所(点検又は整備を実施した者が使用者と同一の者である場合にあつては、その者の氏名又は名称)
この通り、書かなければならないのは7つの事項です。点検や整備をしたら、遅滞なく記載します。
1. 記載事項と記入例
| 記載事項 | 書くこと | 記入例 | 根拠 |
|---|---|---|---|
| 点検の年月日 | 点検をした日 | 2026年9月27日 | 法第49条第1項第1号 |
| 点検の結果 | 別表の点検項目ごとに、記号で記入します(異状なしは「レ」、交換は「×」、装置が付いていない項目は「/」など) | 各項目に「レ」「×」「/」などを記入 | 同項第2号 |
| 整備の概要 | 点検の結果として行った整備の内容 | エンジン・オイル交換 | 同項第3号 |
| 整備を完了した年月日 | 整備が終わった日 | 2026年9月27日 | 同項第4号 |
| 自動車登録番号・車両番号・車台番号 | 登録自動車は自動車登録番号、検査対象軽自動車と二輪の小型自動車は車両番号、どちらでもない自動車は車台番号 | 品川 300 あ 00-00 | 自動車点検基準第4条第1項第1号 |
| 総走行距離 | 点検または特定整備をしたときの総走行距離 | 12,345km | 同項第2号 |
| 点検・整備を実施した者の氏名または名称、住所 | 実施した人の氏名(事業者なら名称)と住所。使用者本人が実施したときは氏名だけ | 車検 太郎(使用者本人のため住所は省略) | 同項第3号 |
ナンバープレートに表示されているのは、登録自動車なら自動車登録番号、検査対象軽自動車と二輪の小型自動車なら車両番号です(車両番号は道路運送車両法第60条第1項で指定されます)。
使用者本人が点検や整備をしたときは、実施した者の欄は自分の氏名だけで足ります。自動車点検基準第4条第1項第3号が、実施した者が使用者と同一の場合は氏名または名称だけと定めているためです。
点検の結果に書く記号の意味と使い分けは記入記号の意味と使い分けで説明しています。
2. 自分で特定整備をしたときも、この記録簿に書きます
点検をしていなくても、使用者が特定整備をしたときは点検整備記録簿への記載が必要です。道路運送車両法第49条第2項に定められています。
道路運送車両法 第49条第2項
自動車(第五十八条第一項に規定する検査対象外軽自動車及び小型特殊自動車を除く。以下この項において同じ。)の使用者は、当該自動車について特定整備(原動機、動力伝達装置、走行装置、操縦装置、制動装置、緩衝装置、連結装置又は自動運行装置(第四十一条第二項に規定する自動運行装置をいう。第九十九条の三第一項第一号において同じ。)を取り外して行う自動車の整備又は改造その他のこれらの装置の作動に影響を及ぼすおそれがある整備又は改造(同号に掲げる行為を除く。)であつて国土交通省令で定めるものをいう。以下同じ。)をしたときは、遅滞なく、前項の点検整備記録簿に同項第三号から第五号までに掲げる事項を記載しなければならない。ただし、前条第二項において準用する第四十七条の二第三項の規定による必要な整備として当該特定整備をしたとき及び第七十八条第四項に規定する自動車特定整備事業者が当該特定整備を実施したときは、この限りでない。
記載するのは第1項の第3号から第5号まで、つまり整備の概要、整備を完了した年月日、自動車点検基準第4条第1項の事項(番号、総走行距離、実施した者)です。第1号の点検の年月日と第2号の点検の結果は含まれていません。
検査対象外軽自動車と小型特殊自動車は、この第2項の対象から除かれています。
また、次の2つの場合は第2項の記載は要りません(同項ただし書)。
- 定期点検の結果、必要な整備として特定整備をしたとき
- 認証工場(自動車特定整備事業者)が特定整備をしたとき
認証工場に特定整備を頼んだときは、工場が特定整備記録簿に記載し、その写しを使用者に交付します(同法第91条第2項)。
3. 特定整備記録簿・指定整備記録簿は、整備工場が書くもの
特定整備記録簿(令和2年4月1日より前は分解整備記録簿)と指定整備記録簿は、点検整備記録簿とは別の記録簿です。書くのは使用者ではなく整備工場です。
- 特定整備記録簿は認証工場が書きます。記載事項は道路運送車両法第91条第1項と施行規則第62条の2に定められています。外注したときの書き方は国土交通省の「特定整備記録簿の記載方法について」に記載例があります
- 指定整備記録簿は指定工場(民間車検場)が書きます。こちらには指定自動車整備事業規則第10条の2で法定の様式が定められています
3種類の記録簿それぞれの記載事項は3種類の記録簿の違いにまとめています。
まとめ
- 使用者本人が点検したら、実施した者の欄は氏名だけでよい
- 点検をしていなくても、自分で特定整備をしたら整備の概要・完了日・総走行距離などを記載する
- 特定整備記録簿と指定整備記録簿は整備工場が書く別の記録簿
関連する解説
根拠
- 道路運送車両法(昭和26年法律第185号)第49条・第60条・第91条
- 道路運送車両法施行規則(昭和26年運輸省令第74号)第62条の2
- 自動車点検基準(昭和26年運輸省令第70号)第4条
- 指定自動車整備事業規則(昭和37年運輸省令第49号)第10条の2